前にマラソン大会に出たことがあります(10km、ハーフマラソン、フルマラソンどれもあります。最近は全然走っていませんけど)。レースの後半、かなり疲れて走るのが辛くなってきた時、沿道から「頑張れーーーーー!」という大きな声が聞こえてきました。
これはその時の僕にはものすごく「効き」ました。応援してくれていた方は知らない方なので、ランナーみんなに向って言ってくれているのでしょうが、僕はその言葉にとても励されて、なんとか最後まで走り切ることができました。走っているうちに周りを見ると、結構大変そうなランナーも沢山いて、特に会話をするわけでなくても「結構大変だけど、お互い頑張って走ってますね」っていう気持ちも湧いてきました(これって大会に出たことのある方はきっとわかっていただけると思います)。友人や家族、仲間からの応援はもちろん、すごく嬉しいです。大会に出るまでに努力してきたこと、当日の辛さや緊張をわかってくれている人だとなおさらです。
スポーツに限らず、例えば仕事や勉強をしている時、どうしても達成したい目標に向かっている時「頑張れ」ということばは時に大きな励みになると思います。その言葉に元気づけられるのは、言葉をかけてくれる人が「とても大変だろうけれど、応援しているから頑張って」と心から思ってくれている時だという気がします。
もちろん場合によっては「無理しないで」とか「休んだらどう?」みたいな方がいい時もあると思います(きっとそうですよね?)。
「メンタルクリニックに通っている人(特に『うつ』の人)には『頑張れ』と言っちゃいけないんですよね?」と聞かれることがあります。教科書や接し方の本などには結構そう書いてありますよね。もちろんそういう言葉で追い詰められてしまう場合も、あります。「自分では必死で頑張っているのに、もっと頑張れって言われれるから辛い…」という言葉を伺うこともあります。
でも、それってどういう状況で、どういう関係性で言われた言葉かによって変わると僕は思います(マラソンの例は極端ですけど)。例えば、うつや不安は、一番エネルギーがない時(寝たり充電が必要な時)を除いては少しずつでも動いていくこと、何かをしていくことで少しずつよくなっていきます。リハビリや治療の場面では僕たち支援者は頑張れ(一緒に頑張りましょう)って結構言います。
もし「こういう言葉をかけていいのかな?」「相手はどう思うんだろう…?」と思う時は「こういう言葉を言われるとどう感じる?」など、ご本人に聞いてみるといいと思います(そもそも、そう思っている方はとっても優しい方だと思いますし、きっと優しさや配慮の雰囲気はご本人に伝わると僕は思います)。こういうのは家庭内でも、社内の復職の場面でも、友人同士でもきっとそうです。どんな配慮をしてほしいかは、想像して悩むより直接聞いてみましょう。「今頑張れって言われるとツラいんだよね…」って言える関係を築くことが何より助けになります。平たく言えば、どんな言葉をかけるかより信頼関係があるかどうかが大事だということです。「腫れ物に触るようにされる」のもきっと多くの人にとって辛いことです。
僕は応援するのも、応援されるのもすごく好きです(だって本当に思いのこもった応援って嬉しいじゃないですか)。お互いに、いろいろなことが少しでも前に進んだり、うまく行きますように。
【ツイッターのご紹介】
ブログの更新報告の他、日々簡単に読めてちょっと役立つ心理学やセルフケアの知識をつぶやいています。興味のある方はフォロー頂けると嬉しいです。ツイッターはこちら@hajimewakasugi